八女を深く味わう美食体験と、この地で続く高品質なお茶づくり（福岡 八女・後編）

　こんにちは、橘リンです。福岡 八女のお茶旅・後編では、前編と同じく、「NIPPONIA HOTEL 八女福島 商家町」でのお茶体験を取材してきました。

大切なのは地産の旬。八女の食材を深く味わうディナー。

　八女中央大茶園で八女茶を贅沢に味わった後は、ホテルに戻ってお待ちかねのディナーです。NIPPONIA HOTELでは、八女茶はもちろんのこと、八女ならではの旬の食材を使ったディナーをいただけます。八女の食文化を感じながら味わう美食体験です。

　ライトアップされた外の景色を眺めながら、まずは、食前酒ならぬ食前八女茶をいただきます。淹れた後の茶葉もいい香りです。

　ドリンクも、八女茶を使ったオリジナルカクテルなど八女らしい豊富なラインナップが。私は気になっていた八女抹茶コーラをオーダーしてみました。八女茶の抹茶を使用した和洋折衷の地サイダーです。

　　コースの最初のお料理と一緒にいただきます。とても飲みやすく、甘すぎないのでお料理にも合いました。ほのかに香る抹茶と、コーラの刺激が絶妙なバランスです。

　運ばれてくるのは、どれも地元の食材を中心に使った、地元愛溢れる暖かいお料理です。地産のものにこだわって、3ヶ月に1回ほど、シェフが新たにメニューを考えているとのこと。

　コースのメインディッシュは地元ブランド牛「筑後船⼩屋⽜」のロティ。赤身と脂身のバランスが良く、ジューシーな味わいが最高です。

　デザートは「八女産柑橘と八女茶のタルト仕立て」。飾りで添えられていた葉っぱ型のクッキーがかわいい一品です。柑橘の酸味と相性抜群で、ぺろっと食べちゃいました。

　食後には特別に八女茶の飲み比べも体験させていただきました。まずは一口ずつ飲んでみて、なんのお茶か当てていきます。ラインナップは煎茶、玄米茶、ほうじ茶、和紅茶、番茶（二番茶）です。グラスで並べると色の違いが分かりやすくて綺麗ですね。

　お茶の色、香り、味。五感をフルに使って味わいます。玄米茶、ほうじ茶、和紅茶は分かりましたが、煎茶と番茶が似ていて難しい！ ちょうどいい難易度で、盛り上がったお茶当てでした。改めて、同じお茶の木なのに、加工の違いなどでここまで味わいが変わることに驚きです。

　この日の体験はここまで。ホテルのお部屋に戻ってゆったりおやすみなさい。

心も体も癒される、八女茶から始まる朝

　翌日は太陽が差し込み、気持ちの良い目覚めでした。ゆっくり休めた体で朝食をいただきます。

　朝食は、なんと八女茶の抹茶をたてるところから始まります。抹茶を自分でたてて頂くのは、なかなかない機会です。たて方教わりながらなので、初めての方でも安心。これがいわゆる“朝活”でしょうか。とても気持ちの良い１日のスタートです。

　朝食も、地元の食材を使ったお食事です。ヤマメの塩焼きなど旬のものが詰め込まれたお重に、〆は八女茶のお茶漬け。お茶漬けに合うように、普通の淹れ方よりも薄めに抽出した煎茶をかけていただきます。これぞ本物のお茶漬けです。

　煎茶のお茶漬けはさっぱりしていて朝にぴったりの優しい味わい。思わずご飯をおかわりしちゃいました。心も体も癒される、健康的な八女茶の朝食に大満足です。

八女の地で、高品質なお茶づくりが続く理由

　朝食を食べた後は、古賀製茶本舗のお店へお邪魔しました。NIPPONIA HOTELでは、様々な八女のお茶屋さんのお茶を取り扱っていますが、古賀製茶本舗さんの八女茶はその一つです。

　代表の古賀さんに、八女茶のお話をお伺いしました。古賀製茶本舗はなんと創業が文政2年(1819年)。200年以上に渡って、八女茶を守り続けてこられた老舗のお店です。

　八女は、朝夕に霧がかかるような谷間の場所で、非常にお茶の栽培に適した土地です。今でこそ高級茶として名高い八女茶ですが、各々が技術を磨き続けて大切にお茶を育ててきたからこそだと、お話くださりました。

　古賀製茶本舗でも、創業から200年以上の歴史の中で培った匠の技で、繊細なお茶づくりをこだわりながら続けています。伝統的な八女の玉露はもちろん、気軽にお茶を楽しめるような八女茶ティーバッグなど、様々な形で八女茶の魅力を伝えて続けているとのこと。私たちが古賀さんにお話をお伺いしている間も、何人もの地元の人がお茶を買いに訪れていました。今でも八女でおいしいお茶が続いているのは、こういった方々の努力があってのことだと、改めて感じられました。

　前編、後編と福岡 八女でのお茶旅をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。「NIPPONIA HOTEL 八女福島 商家町」を拠点に、八女茶を余すことなく体験してみてください。より八女茶が美味しく感じられること間違いなしの、おすすめのお茶旅でした。