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2022-06-01

和束茶【後編】多様なお茶の楽しみ方を、世界へ届ける|新茶前線北上レポート

 こんにちは。新茶前線レポーターの山田璃々子です! 和束茶レポートの後編では、前編に引き続き、京都おぶぶ茶苑さんの新茶イベントの様子と、これからのお茶づくりについての想いなどをご紹介します。

美味しいお茶のポイントは「生きたお湯」

 お茶づくしのランチを堪能した後は、おぶぶ茶苑さんがつくる様々なお茶をいただきました。「京番茶」「ほうじさくら煎茶」や、茶葉の葉脈の部分をつかった「つばめ茎茶」などなど、たくさんの種類のお茶を飲みくらべ。カラフルなお茶があることを目で見て、香りを感じて、味わって、再認識です。

 お茶は淹れ方ひとつで味わいが大きく変わる飲み物。それぞれのお茶に合ったお湯の温度、抽出時間で淹れることで、味も香りもより一層楽しめます。和束町のお茶は浅く蒸してあることが多く、お茶を淹れる際はお湯の温度を低めにするのがポイントとのこと。さらに、時間が経って冷めたお湯や、ずっと保温しているお湯ではなく、一度熱々に沸騰させたものを少し冷ました「生きたお湯」で、お茶を淹れることが大事だそうです。

 お茶にあったお湯の温度、抽出時間などを、おぶぶ茶苑・代表のあっきーさんが解説しながら淹れてくださいました。心を込めて丁寧に淹れてもらったお茶は、より美味しさが染み渡る気がします。

お茶の個性を楽しむ「茶かぶき」

 次に体験したのは、この日一番の盛り上がりを見せた「茶かぶき」。「茶かぶき」とは、名前を伏せたお茶の種類や産地を飲んで当てる、利き茶のような遊びです。今回は、同じ畑かつ同じ品種の和紅茶で、おぶぶ茶苑さんのメンバー5人が各々で加工したお茶を飲みくらべます。その違いは“誰が加工したか”だけです。初めての「茶かぶき」にして、いきなり難問ですが頑張ります!

 目を閉じて香りを確かめてみたり、じっくりと一口ずつ飲んでみたりと、五感をフルに使ってお茶を味わいます。同じ条件のお茶でも、つくり手によって味も香りもこんなに違うのかと驚きの連続でした。それだけ加工は大事な工程で、つくり手の個性がお茶の出来上がりに反映されるのですね。私も自分のお茶を作ってみたくなりました。

 茶かぶきの結果は「これだ!」と確信していたものが間違っていたりと、悔しい結果でしたが……ついつい夢中になれる楽しい遊びでした! リベンジしたい気持ちで燃えています。

出来たての新茶を飲んでみる

 いろんな種類のお茶を楽しんでいる間に、心待ちにしていた、今朝摘んだばかりの新茶の加工が終わりました! 出来たてほやほやの新茶はサラサラした触り心地で、ピンと針のように伸びている様子。朝から降っていた雨も上がり、夕日が差し込む素敵な空間の中で新茶をいただきます。

 一口飲んで感じる爽やかな香り! 旨味がぎゅっと詰まっていて、味わうほどに甘さを感じます。出来たての新茶は「八十八夜煎茶」という素敵な名前のパッケージに封入され、参加者の皆さんに配られました。無病息災を願いながら大事に飲みたいと思います。

仲間との絆を大切に、第二章へ向かって

 一日を通してお茶の楽しみ方をガイドしてくださった代表のあっきーさんは、とてもエネルギッシュなお方。実は、今の私と同じ大学生の頃に就農を決意されました。 当時、和束町でお茶摘みのアルバイトをしていたあっきーさん。その時に頂いた一杯のお茶があまりにも美味しくて感動したことが、就農のきっかけだったそうです。家業として継ぐことが多かった時代に、お茶農家へ新規参入はかなり珍しいケースでした。

 お茶づくりを始めた当初から「自分たちだからこそ出来ることを模索しなくては生き残れない」と直感していたあっきーさん。そのため、おぶぶ茶苑ではお茶づくりだけでなく、ティーツーリズムや、インターンシップ制度、茶畑オーナー制度など、お茶のファンを増やす革新的な取組がたくさん行われています。

 現在、あっきーさんの周りには、その想いに賛同する多くの仲間が国内外から集まっています。それを象徴するかのように、おぶぶ茶苑さんの直売所には、これまでインターンシップ制度で和束町を訪れた方々の写真がたくさん貼られていました。

 ここ2年間はコロナ禍の影響で、海外からのインターン生や観光客を受け入れることができず、なかなか思うように動けずに悔しい思いをしたそうです。しかし、取材の数日前に、海外からのインターン生が来日したという嬉しいニュースが! ウィズコロナの流れになって少しずつ色んなことが再開しだした今、おぶぶ茶苑の第二章へ向けて、仲間と共に再出発です。

 あっきーさん、京都おぶぶ茶苑のみなさま、ありがとうございました!

◼️「京都おぶぶ茶苑」公式HP:https://www.obubu.com/
◼️オンラインショップ:https://www.obubu.com/index.html

■和束茶【前編】茶源郷から伝える、幅広いお茶の楽しみ方| 新茶前線北上レポート

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