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2022-05-27

和束茶【前編】茶源郷から伝える、幅広いお茶の楽しみ方| 新茶前線北上レポート

 こんにちは。新茶前線レポーターの山田璃々子です! 新茶前線北上3ヶ所目は、京都府・和束茶(わづかちゃ)の、京都おぶぶ茶苑さんを訪れました。

 和束茶は、京都最大の茶産地、和束町(わづかちょう)で生産されるお茶です。お茶の桃源郷「茶源郷」とも呼ばれるほど、広大な茶畑が広がります。茶畑が一望できる場所に行くと、山肌に沿ってまるで波のように連なる畝にびっくり! 

合言葉は“一芯二葉”。握手するようにお茶摘み。

 和束町を訪れた5月1日は「八十八夜」の前日。「八十八夜」とは、立春から数えて88日目にあたる日のことで、今年は5月2日でした。この時期から霜がおりなくなるため、茶摘みを始める目安の日とされています。昔から、八十八夜に摘んだ新茶を飲むと、一年を無病息災でいられると伝えられているのです。実際の茶摘みの時期は産地や茶園によって違いますが「八十八夜」は、新茶と深い繋がりがある日。八十八夜・イブのこの日、京都おぶぶ茶苑さんでは、新茶イベントが開かれていたので、私も参加させてもらいました! 

 まずはお茶の手摘み体験です。当日は、朝から雨がしとしとと降り注ぎ、お茶の葉にも雨粒が滴っていました。雨に濡れたお茶は摘んだ後の加工が難しいため、本来なら雨の日は摘まないそうです。

 早速、参加者の皆さんと一緒に新芽を摘んでいきます。 “一芯二葉”(いっしんによう)=上の写真のように、先端の「芯」と、その下の2枚の葉の部分を指しますが、これを合言葉に指の腹で優しく捻ってお茶を摘んでいきます。

 この時、お茶と握手するように摘むと、お茶の葉が手の中にするんと入り、連続して摘むことができると、おぶぶ茶苑の代表・あっきーさんにアドバイスをいただきました。最初は慣れずに苦戦しましたが、段々とテンポよく摘めるように! 摘む時のプチプチっという音が心地よく、無心になって摘めちゃいます。

 コツを掴んできた頃には「この無心になる時間がたまらないよね」と、参加者の皆さんとのお話につい夢中に……。皆さんに参加理由をお伺いしたところ、お茶が好きというのはもちろん、新しいことが好き、まだやったことのないことはなんでも挑戦したい、といった多種多様な理由で参加されていました。印象的だったのは、お子さま連れのご家族や、ご友人、夫婦などなど様々な参加者の方がいたことです。中には、大学生の私と同い年の参加者も! 皆さん和気あいあいと楽しそうにお茶を摘んでおり、お茶好きに年代は関係ないのだな、と実感しました。

 お話に夢中になって、つい手の動きがゆっくりになることもありましたが、なんとか、カゴいっぱいに摘むことができました! 

楽しくお茶を体験! まるでテーマパークのような加工場ツアー

 お茶は鮮度が命! ということで、歩いてすぐの場所にある加工場に摘んだ茶葉を持っていきます。あっきーさんの威勢のいい掛け声に合わせて機械に茶葉を投入。いってらっしゃい!

 茶葉投入後は、あっきーさんによる加工場ツアーのスタートです。お茶がどういった加工の旅をするのか、どんな風に変身するのかをリズミカルかつ面白く教えてくれます。

 一番気になったのは「精揉機(せいじゅうき)」という最後の「揉み」工程の機械です。茶葉の水分を取り除き、日本茶の特徴でもある細く伸びた針状の形に整えるため、人間が手で揉むように、一定方向に揉んでいきます(嬉野はくるんとした玉緑茶のため、この機械がありませんでした)。メカニックな機械に一同興味津々。終始笑い声があふれる加工場ツアーで、全員が夢中になってガイドを聞いていました。

お茶って食べても美味しい! 摘みたてホヤホヤお茶の天ぷら

 加工には時間がかかるため、新茶が出来上がるまでに、一旦ランチタイムです。なんと、先程摘んだお茶の葉をまるごと天ぷらにしていただきました! 摘みたてホヤホヤの生葉を使った、お茶園だからこそできる贅沢な一品です。衣はサクッと、そして噛めば噛むほど、新茶の爽やかな香りと味わいが口いっぱいに広がります。えぐみや苦味はほとんど感じません。写真を見返すだけでまた食べたい! という気持ちになるほど、やみつきになるお茶料理です。

 他にも、ほうじ茶で炊いたご飯や、茶殻をまぜた混ぜご飯、お茶の卵焼きなどなど、お茶づくしのランチをお腹いっぱいいただきました。お茶は「飲む」だけでなく「食べる」のも美味しいことを実感! 私もお家で作ってみようと思います。

 後編では、利き茶ゲーム「茶かぶき」体験など、更なるお茶の楽しみ方のお話や、京都おぶぶ茶苑さんのお茶づくりへの想いについてご紹介いたします。

■和束茶【後編】多様なお茶の楽しみ方を、世界へ届ける|新茶前線北上レポート

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