お茶の産地
静岡と鹿児島は永遠のライバル?
“お茶といえば静岡”。そんなイメージが定着するほど、長い間ずっと静岡県が荒茶(※)生産量全国第1位を誇っています。鹿児島県は1970年に初めて三重県を抜いて第2位になりましたが、生産量約7千トンは首位の静岡県の7分の1程度でした。しかしその後、整備拡大などで鹿児島県が急成長。近年は僅差で静岡県を追う状況が続いています。※「荒茶」とは、茶畑で収穫され、製品になる前の段階まで加工された状態の茶葉。
埼玉(狭山茶など)
狭山地方で栽培され、主に関東地方で消費されます。「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と『狭山茶摘み唄』にもうたわれるその味わいは『狭山火入れ』という独特な仕上げ技術により、甘くて濃厚なお茶に。
岐阜(美濃いび茶・美濃白川茶など)
北アルプスなどの3000m級の山々を源として揖斐、長良、木曽の三つの川が悠々と流れていいる岐阜県。豊かな自然の中で育まれるのが「美濃茶」です。産地は、「美濃いび茶」産地と「美濃白川茶」産地に分けられ、各地域でそれぞれ特徴あるお茶が作られています。
静岡(静岡茶・掛川茶・本山茶など)
全国の荒茶の39%を生産する日本一の産地。静岡、掛川、川根など、自然環境を活かした産地がそれぞれのブランドを確立しています。山間地で育つ「本山茶」は、徳川家康も愛した高級煎茶として有名です。また、静岡の茶草場農法は世界農業遺産に認定されています。
愛知(西尾の抹茶など)
西尾は宇治に次ぐ日本有数の抹茶の産地。西尾市で生産されるお茶は、ほとんどが抹茶の原材料となる「碾茶(てんちゃ)」。日光を遮って育てた茶葉は甘み・旨味が増し、鮮やかな緑色になります。全国的に抹茶に特化した生産地は、西尾だけ。
三重(伊勢茶など)
生産量全国第3位。千年の歴史を誇る由緒あるお茶の産地です。主に煎茶、深蒸し煎茶、かぶせ茶などを生産していて、北はかぶせ茶、南は深蒸し茶がさかん。とくに鈴鹿山系で栽培されるお茶は、伊勢茶を代表する上質なお茶です。
京都(宇治茶など)
高い品質を誇る高級茶の一大ブランド「宇治茶」。抹茶の生産量は全国第1位を誇ります。現在、日本各地に普及しているお茶の栽培技術や製茶方法は、その大部分が宇治にならったものだそう。
奈良(大和茶・月ヶ瀬茶など)
806年に弘法大師が唐より持ち帰り伝えたとされる、歴史が深いお茶が大和茶です。月ヶ瀬茶も、300年前から栽培が始まるという古い歴史を持っています。今もなお人気を誇る、古き良きお銘茶です。
福岡(八女茶など)
玉露と煎茶の産地として、また、日本有数の高級茶産地としても知られる福岡県。八女市を中心に生産される玉露は全国第1位の生産量を誇り、全国茶品評会でも農林水産大臣賞を何度も受賞しています。
佐賀(嬉野茶など)
嬉野茶は、日本茶の中では珍しい独特の丸みを帯びた、勾玉(まがたま)状であることから、「玉緑茶」と呼ばれています。ぐりぐりとした丸い形状から、別名「ぐり茶」と呼ぶことも。
宮崎(宮崎茶など)
日向市と都城市、串間市などが主な産地で、生産量は全国第4位。「宮崎茶」としてブランド統一する傾向にありますが、高千穂地方では鉄を使った昔ながらの釜炒り茶の製茶技術が残っています。
鹿児島(かごしま茶・知覧茶など)
「かごしま茶」「知覧茶」などのブランドを持つ鹿児島県。日本一早い新茶の産地として知られ、鹿児島本土では4月上旬、種子島などの島では3月下旬から茶摘みが始まります。温暖な気候を活かし、さまざまな品種が栽培されています。
1世帯あたりの日本茶消費量が多い都道府県ベスト3は、1位静岡県、2位奈良県、3位京都府。静岡県は生産するのも飲むのも1位なんですね。
さらに市町村別でみると、1位静岡市(静岡県)、2位浜松市(静岡県)、3位津市(三重県)、4位長崎市(長崎県)、5位 鹿児島市(鹿児島県)の順。消費する金額順でみると、1位は静岡市、2位長崎市、3位は浜松市、4位鹿児島市、5位横浜市(神奈川県)となります。
(出典:総務省「家計調査」2017年~2019年平均)